Our World in Data 日本語解説

コーヒー生産の主役が変わった――60年で急拡大したアジアの存在感

公開日 2026-05-27

要点まとめ

  • 南米は依然として世界最大のコーヒー生産地域
  • 一方で南米とアフリカの世界シェアは低下
  • アジアの生産シェアは1960年代の5%未満から約32%へ拡大
  • ベトナムは1999年にコロンビアを抜き、世界第2位の生産国になった
  • 背景には、高収量で丈夫な「ロブスタ種」の普及がある

この記事でわかること

  • 世界のコーヒー生産地域がどう変化したか
  • なぜアジアの生産量が急増したのか
  • ベトナムが世界有数のコーヒー大国になった理由
  • コーヒー豆の品種が世界市場に与える影響

本文

1. 結論

世界のコーヒー生産は、この60年で大きく構造が変わった。

南米は現在も最大の生産地域だが、アジアの存在感が急拡大している。特にベトナムの成長が大きく、現在では世界第2位のコーヒー生産国となっている。

2. 背景と問題

Our World in Dataの記事では、1961年から2024年までのグリーンコーヒー豆の生産データをもとに、世界のコーヒー生産地域の変化を分析している。

グリーンコーヒー豆とは、焙煎前の生豆のことを指す。

コーヒーは世界中で消費される農産物であり、生産地域の変化は、世界の農業構造そのものの変化を示している。

3. データからわかること

南米は最大生産地域を維持

グラフでは、南米が長年にわたり世界最大のコーヒー生産地域であることが示されている。

しかし、その世界シェアは以前より低下している。また、アフリカのシェアも縮小している。

アジアのシェアが大幅上昇

もっとも大きな変化はアジアである。

1960年代初頭、アジアの世界シェアは5%未満だった。しかし現在では約32%まで拡大した。

これは、世界のコーヒー生産の重心が大きく変わったことを意味している。

ベトナムが急成長

アジア拡大の中心にあるのがベトナムだ。

記事によると、ベトナムのコーヒー生産量は1980年代初頭には約5,000トンだったが、現在は約200万トンに達している。

現在では、ベトナム1国の生産量がアフリカ全体を上回っている。

世界ランキングも変化

ブラジルは現在も世界最大のコーヒー生産国である。

一方、かつて世界第2位だったコロンビアは、1999年にベトナムに抜かれた。現在の第2位はベトナムとなっている。

4. なぜそうなるのか

記事では、生産拡大の背景として「ロブスタ種」の普及を挙げている。

ロブスタ種は、ラテンアメリカで主流のアラビカ種よりも丈夫で、収量が高い。

この特徴により、大規模な生産拡大が可能になった。

つまり、世界のコーヒー生産構造を変えた要因の一つは、「どの品種を栽培するか」だったことがわかる。

5. 日本人への示唆

日本ではコーヒーは輸入品として消費されている。

そのため、生産地域の変化は、世界の供給構造の変化でもある。

今回のデータからは、「コーヒー=中南米」という従来のイメージだけでは、現在の世界市場を説明できなくなっていることがわかる。

また、ベトナムの事例は、特定の農作物と品種の選択によって、1国の生産規模が世界市場を大きく変えうることを示している。

まとめ

  • 世界のコーヒー生産は、この60年で大きく変化した
  • 南米は最大生産地域を維持しているが、シェアは低下
  • アジアは世界シェア約32%まで拡大した
  • ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国になった
  • 背景には、高収量なロブスタ種の普及がある

出典: https://ourworldindata.org/data-insights/coffee-production-has-shifted-toward-asia-over-the-last-six-decades

元記事 https://ourworldindata.org/data-insights/coffee-production-has-shifted-toward-asia-over-the-last-six-decades