Our World in Data 日本語解説

ガソリン車の販売はすでにピークアウト――世界の自動車市場で起きている大転換

公開日 2026-05-22

要点まとめ

  • 世界の内燃機関車(ガソリン車・ディーゼル車)の販売台数は2018年にピークを迎え、その後は減少している
  • 一方で電気自動車(EV)の販売は急速に拡大している
  • Our World in Dataは、IEA(国際エネルギー機関)のデータをもとに分析している
  • Bloomberg New Energy Financeは、ピーク時期をさらに早い2017年と推定している
  • 世界の自動車市場は「車が増えている」のではなく、「売れる車の種類」が変わり始めている

この記事でわかること

  • なぜ「ガソリン車の時代の転換点」が来たと言われているのか
  • EV普及がどの程度進んでいるのか
  • 世界の自動車市場で実際に何が起きているのか
  • 日本の消費者や産業にどんな影響がありうるのか

本文

1. 結論

世界のガソリン車・ディーゼル車の販売は、すでにピークを過ぎた。

Our World in Dataによると、世界の内燃機関車の販売台数は2018年に最大となり、その後は減少傾向にある。対照的に、電気自動車(EV)の販売は急速に伸び続けている。 oai_citation:0‡Our World in Data

つまり現在の世界市場では、「車そのものの需要拡大」よりも、「どの種類の車が売れるか」の変化が起きている。


2. 背景と問題

道路交通の脱炭素化には、ガソリン車やディーゼル車から、より低炭素な移動手段への移行が必要とされている。

その中心にあるのが電気自動車(EV)だ。Our World in Dataは、EVは輸送部門の脱炭素化に不可欠な手段だと説明している。 oai_citation:1‡Our World in Data

従来は「EVが増えている」と言われても、世界全体ではガソリン車販売も増え続けている可能性があった。

しかし今回のデータは、そうではないことを示している。

EVが伸びているだけでなく、内燃機関車の販売そのものが減少局面に入っているのだ。 oai_citation:2‡Our World in Data


3. データからわかること

内燃機関車の販売は2018年が頂点

Our World in Dataが紹介しているグラフでは、世界の内燃機関車販売は2018年にピークへ達している。Bloomberg New Energy Financeは、ピーク時期を2017年と推定している。 oai_citation:3‡Our World in Data

グラフでは以下の変化が確認できる。

  • 2010年代後半まで、内燃機関車販売は高水準を維持
  • 2018年前後を境に減少へ転換
  • EV販売は2018年以降に急拡大
  • EV増加分が、内燃機関車の減少を置き換え始めている

Reutersが引用したデータでは、内燃機関車販売は2018年の8370万台から、2023年には6280万台へ減少したとされる。 oai_citation:4‡The Independent


EVの販売比率は急上昇

Our World in Dataによると、2024年には世界で販売された新車の22%がEVだった。 oai_citation:5‡Our World in Data

国別では特に差が大きい。

  • ノルウェーでは新車販売の92%がEV
  • 中国では約半数がEV

とされている。 oai_citation:6‡Our World in Data

つまりEV化は一部の実験的市場ではなく、すでに主要市場で本格化している。


EVには「完全EV」と「プラグインハイブリッド」が含まれる

記事では「EV」に以下の2種類が含まれると説明されている。

  • バッテリーのみで走る完全電気自動車
  • 外部充電可能なプラグインハイブリッド車

後者はエンジンも搭載しているため、分類について議論も存在する。 oai_citation:7‡Our World in Data

しかしOur World in Dataは、これらを「electric cars」として集計している。


4. なぜそうなるのか

データから見える最大の理由は、EV販売の急成長だ。

Our World in Dataは、EV販売が「低い水準から急速に成長している」と説明している。 oai_citation:8‡Our World in Data

さらに記事では、EVは走行中の排出量が少なく、電力構成がクリーンになるほど炭素削減効果も大きくなるとしている。 oai_citation:9‡Our World in Data

結果として、

  • EV販売の増加
  • 内燃機関車販売の減少

が同時進行している。

グラフ上でも、2018年前後からオレンジ色のEV部分が急速に拡大し、そのぶん内燃機関車部分が縮小していく構図が確認できる。 oai_citation:10‡Our World in Data


5. 日本人への示唆

この変化は、日本にとっても重要な意味を持つ。

なぜなら、自動車産業は日本経済の中核の一つだからだ。

今回の記事が示しているのは、「EVが増えている」という単純な話ではない。

世界市場全体で見ると、内燃機関車の販売がすでに縮小に入っている可能性が高い、という点に価値がある。

つまり今後は、

  • どの国がEV市場を主導するのか
  • どのメーカーが移行に成功するのか
  • 消費者がどの種類の車を選ぶのか

が、自動車産業の競争力を左右していくことになる。

Our World in Dataのデータは、少なくとも世界市場の方向性としては、「EV拡大」と「内燃機関車縮小」が同時に進んでいることを示している。 oai_citation:11‡Our World in Data


まとめ

  • 世界の内燃機関車販売は2018年にピークを迎えた
  • Bloomberg New Energy Financeは2017年説を示している
  • EV販売は急速に拡大している
  • 2024年には世界新車販売の22%がEVになった
  • 世界の自動車市場では「車種の転換」が進行している

今回のデータが重要なのは、「未来の予測」ではなく、すでに起きた変化を示している点にある。

ガソリン車中心だった世界市場は、すでに転換点を越えた可能性がある。 oai_citation:12‡Our World in Data

元記事 https://ourworldindata.org/data-insights/global-sales-of-combustion-engine-cars-have-peaked