読書感想文の書き方|誰でもスラスラ書ける5つのコツと例文を徹底解説
読書感想文は「感想」が主役
夏休みの宿題の定番といえば、読書感想文です。
しかし、多くの人が「何を書けばいいのかわからない」「あらすじばかりになってしまう」「原稿用紙がなかなか埋まらない」と悩みます。
実は、読書感想文を書くのが苦手な人には共通点があります。
それは、「本の内容を書こう」としていることです。
読書感想文は、本の内容を説明する文章ではありません。
先生が読みたいのは、「あなたが何を感じたのか」「なぜそう思ったのか」です。
つまり、主人公ではなく、あなた自身が主役になります。
例えば、
「主人公は最後まで努力して夢を叶えました。」
これだけでは、本の紹介になってしまいます。
一方で、
「主人公が最後まで努力する姿を見て、小学校の運動会で最後まで走り切った自分を思い出しました。途中であきらめそうになった経験があったので、とても共感しました。」
このように書けば、読書感想文になります。
先生が評価するポイントも、難しい言葉を知っていることではありません。
自分自身の考えを、自分の言葉で表現できているかが重要です。
そのためには、「何を感じたか」を意識して読むことが何よりも大切です。
読書感想文を書く前に準備しておきたい3つのこと
いきなり原稿用紙に向かうと、多くの人は手が止まってしまいます。
実は、上手な感想文を書く人ほど、書き始める前の準備をしています。
まず一つ目は、「本を選んだ理由」を思い出すことです。
なぜその本を選んだのでしょうか。
表紙が気になったから。
タイトルがおもしろそうだったから。
先生に勧められたから。
映画を見て興味を持ったから。
どんな理由でも構いません。
その理由は、読書感想文の導入としてそのまま使えます。
二つ目は、「一番心に残った場面」を一つだけ決めることです。
全部を書こうとすると、文章がまとまりません。
一番印象に残った場面だけに絞ることで、内容が伝わりやすくなります。
例えば、
・主人公が挑戦した場面 ・家族との別れ ・友達との仲直り ・失敗から立ち直った場面
このように、一つに絞ることが大切です。
三つ目は、「なぜ印象に残ったのか」を考えることです。
ここが最も重要です。
印象に残った理由は人それぞれ違います。
自分も同じ経験があった。
今まで考えたことがなかった。
主人公の勇気に驚いた。
家族の大切さを改めて感じた。
理由が書ければ、そのまま感想になります。
この準備を5分ほど行うだけで、文章は驚くほど書きやすくなります。
読書感想文の基本構成はこの4ステップで十分
読書感想文には、決まった型があります。
この型を覚えてしまえば、どんな本でも応用できます。
1. 本を選んだ理由
最初は、本との出会いを書きます。
例えば、
「私は動物が好きなので、この本を選びました。」
「表紙の絵がきれいだったので読んでみようと思いました。」
短くても十分です。
2. あらすじ
ここでは本の説明を書きます。
ただし、長く書く必要はありません。
全体の2〜3割程度で十分です。
例えば、
「主人公は夢を叶えるために何度も失敗しながら挑戦を続けます。」
このくらいの長さで問題ありません。
3. 一番心に残った場面と理由
ここが感想文の中心になります。
場面を紹介した後に、
「なぜ心に残ったのか」
を詳しく説明します。
例えば、
主人公が友達を助ける場面に感動しました。
私は、自分なら同じことができるだろうかと考えました。
困っている人を助けるには勇気が必要です。
だから、この場面が特に印象に残りました。
このように、自分の考えを書くことが重要です。
4. 学んだこと・これからどうしたいか
最後は締めくくりです。
本を読んで何を学んだのか。
そして、その学びをこれからどう生かすのかを書きます。
例えば、
「失敗しても挑戦を続けることの大切さを学びました。」
「これからは友達をもっと大切にしたいと思います。」
「何事も最後まであきらめずに取り組みたいです。」
未来につながる一文を書くことで、読書感想文はきれいに終わります。
読書感想文が一気に上手になる5つのコツ
ここからは、実際に文章を書くときに役立つ具体的なテクニックを紹介します。
コツ① 「なぜ?」を3回考える
「感動した。」
ここで終わってはいけません。
「なぜ感動したのか。」
さらに、
「なぜそう思ったのか。」
そして、
「自分ならどうするか。」
ここまで考えると、自然と文章が長くなり、内容にも深みが生まれます。
例えば、
主人公が最後まで挑戦したから感動した。
なぜなら、私も途中であきらめた経験があるからです。
もし私が主人公だったら、途中で投げ出していたかもしれません。
だからこそ、その姿に勇気をもらいました。
このように「なぜ」を繰り返すだけで、感想文らしい文章になります。
コツ② 自分の体験を書く
読書感想文には正解がありません。
だからこそ、自分だけの経験を書くことが評価につながります。
例えば、
・部活動 ・運動会 ・習い事 ・友達との出来事 ・家族との思い出 ・失敗した経験 ・挑戦した経験
これらを本の内容と結び付けることで、オリジナルの感想文になります。
読書感想文でよくある失敗と改善方法
ここまで基本的な構成や書き方を紹介してきました。しかし、構成を知っていても、いくつかの失敗をしてしまうと、読み手に伝わりにくい読書感想文になってしまいます。
ここでは、多くの人がやってしまいがちな失敗と、その改善方法を紹介します。
失敗① あらすじが長すぎる
最も多い失敗が、あらすじを書きすぎることです。
「主人公は○○をして、次に△△が起こり、最後は□□になりました。」
このように物語を順番に説明してしまうと、本の紹介になってしまいます。
読書感想文では、「何が起きたか」よりも、「その出来事をどう受け止めたか」が大切です。
例えば、
主人公は失敗を繰り返しながらも挑戦を続けました。
と簡潔に説明したあとで、
私なら途中であきらめてしまったと思います。しかし、主人公は何度失敗しても前を向き続けました。その姿を見て、挑戦することの大切さを改めて考えました。
と続けるだけで、感想文らしい内容になります。
目安としては、全体の文章のうち、あらすじは2〜3割程度に抑えるとバランスがよくなります。
失敗② 「面白かった」で終わってしまう
「面白かったです。」 「感動しました。」 「すごいと思いました。」
これらは感想ですが、それだけでは理由が伝わりません。
読み手は必ず、
「なぜ?」
と思います。
例えば、
面白かったです。
ではなく、
主人公が最後まで夢をあきらめなかった姿が印象的でした。私は難しいことがあると途中でやめたくなることがあります。そのため、努力を続ける姿に勇気をもらいました。
というように、「理由」と「自分の経験」を加えることで、文章に説得力が生まれます。
失敗③ 自分の経験が書かれていない
読書感想文は、自分の心の動きを伝える文章です。
本の出来事だけを書いてしまうと、どこか物足りない印象になります。
例えば、
家族の大切さを描いた本を読んだなら、
「私は普段、家族に『ありがとう』と言う機会があまりありませんでした。しかし、この本を読んで、身近な人ほど感謝を伝えることが大切だと感じました。」
このように、自分の生活と結び付けることで、文章に深みが生まれます。
原稿用紙が埋まらないときの対処法
「書くことがなくなった。」 「文字数が足りない。」
これは多くの人が経験する悩みです。
そんなときは、新しい内容を無理に考える必要はありません。
今ある内容を深く掘り下げるだけで、自然と文章は増えていきます。
方法① 気持ちの変化を書く
読む前と読んだ後では、考え方が変わったことはありませんか。
例えば、
読む前は、 「主人公は少しわがままだと思っていました。」
読んだ後は、
「実は周りの人のことを一番考えていたことが分かり、印象が大きく変わりました。」
この変化を書くことで、内容が充実します。
方法② 「もし自分だったら」を考える
登場人物の行動について考えてみましょう。
例えば、
「もし私が主人公だったら、同じ選択はできなかったと思います。」
「私なら逃げてしまったかもしれません。」
この一文だけでも、自分の考えが伝わる感想文になります。
方法③ 学んだことを具体的に書く
「努力は大切です。」
だけでは短すぎます。
例えば、
「私は苦手な教科になると、すぐに『できない』と思ってしまいます。しかし、この本を読んで、一度や二度の失敗であきらめる必要はないと感じました。これからは毎日少しずつ勉強を続けたいと思います。」
このように具体例を入れることで、自然に文字数も増えます。
学年別に意識したいポイント
読書感想文は、学年によって求められる内容が少しずつ変わります。
小学校低学年
低学年では、難しい言葉を使う必要はありません。
「うれしかった」 「かなしかった」 「びっくりした」
など、自分の気持ちを素直に書くことが何より大切です。
一つの出来事について詳しく書くだけでも十分な感想文になります。
小学校高学年
高学年になると、
「なぜそう思ったのか」
まで説明できると、読み応えのある文章になります。
また、自分の学校生活や友達との経験を書くことで、より説得力が増します。
中学生
中学生では、登場人物の気持ちや行動について、自分なりの考えを書くことが求められます。
「自分ならどうしたか」
「作者は何を伝えたかったのか」
という視点を取り入れると、内容が深まります。
高校生
高校生では、作品のテーマや社会との関わりについて考察すると、より完成度の高い読書感想文になります。
例えば、
- 命の大切さ
- 多様性
- 家族
- 挑戦
- 差別
- 環境問題
など、作品のテーマを自分の考えと結び付けることで、読み手に伝わる文章になります。
読書感想文の例文
ここでは、基本構成に沿った短い例文を紹介します。
書き出し
私は動物が好きなので、この本を選びました。読む前は楽しい物語だと思っていましたが、実際には命の大切さについて深く考えさせられる内容でした。
あらすじ
主人公は一匹の犬との出会いを通して、命の重みや責任について学んでいきます。最初は戸惑いながらも、少しずつ成長していく姿が描かれていました。
感想
特に印象に残ったのは、主人公が最後まで犬を守ろうと決意した場面です。私も小さい頃から動物を飼っているので、その気持ちがよく分かりました。命を預かることは楽しいだけではなく、大きな責任があることを改めて感じました。
まとめ
この本を読んで、命を大切にすることはもちろん、家族や友達など身近な人への思いやりも忘れてはいけないと学びました。これからも相手の気持ちを考えて行動できる人になりたいと思います。
読書感想文を書くことで身につく3つの力
読書感想文は、宿題だから仕方なく書くものだと思われがちです。しかし、読書感想文には学校の成績だけではない、多くの力を伸ばす効果があります。
1. 考える力
本を読んで「面白かった」と感じるだけなら、そこで終わってしまいます。
しかし、
- なぜ面白かったのか
- なぜ主人公はその行動を選んだのか
- 自分ならどうしただろうか
と考えることで、物事を深く考える習慣が身につきます。
これは国語だけではなく、社会や理科、さらには日常生活でも役立つ力です。
例えば友達と意見が違ったときも、「相手はなぜそう考えたのだろう」と想像できるようになります。
読書感想文は、本を読む力だけでなく、相手の立場を理解する力も育ててくれるのです。
2. 自分の考えを伝える力
社会に出ても、自分の考えを相手に分かりやすく伝える力は非常に重要です。
学校では、
- 作文
- 発表
- 面接
- 小論文
など、文章や言葉で自分の考えを伝える場面がたくさんあります。
さらに社会人になると、
- メール
- プレゼンテーション
- 報告書
- 企画書
などを書く機会も増えます。
読書感想文では、
「自分はこう思った」
という意見を理由とともに伝える練習ができます。
この経験は、将来さまざまな場面で役立つでしょう。
3. 読む力
感想文を書くことを意識すると、本の読み方も変わります。
ただ文字を追うだけではなく、
- この場面はなぜ重要なのか
- 主人公はどんな気持ちなのか
- 作者は何を伝えたいのか
と考えながら読むようになります。
こうした読み方は、教科書や新聞、説明文を読むときにも役立ちます。
「読む力」と「考える力」は、お互いを高め合う関係にあります。
そのため、読書感想文は単なる宿題ではなく、読解力を育てる大切な学習でもあるのです。
提出前のチェックリスト
読書感想文を書き終えたら、提出する前にもう一度見直しましょう。
次のポイントを確認すると、より読みやすい文章になります。
内容のチェック
- 本を選んだ理由が書かれている
- あらすじが長くなりすぎていない
- 一番印象に残った場面が書かれている
- 「なぜそう思ったのか」が説明されている
- 自分の体験や考えが入っている
- 学んだことや今後に生かしたいことが書かれている
文章のチェック
- 誤字・脱字はないか
- 同じ言葉を何度も繰り返していないか
- 一文が長くなりすぎていないか
- 「です・ます」と「だ・である」が混ざっていないか
- 読点(、)や句点(。)が適切に使われているか
読み返してみる
完成したら、一度声に出して読んでみましょう。
声に出すことで、
- 読みにくい部分
- 不自然な表現
- 長すぎる文章
に気付きやすくなります。
また、家族や先生に読んでもらい、感想を聞くのもおすすめです。
「ここが分かりにくかった」
という意見があれば、より伝わる文章へと改善できます。
まとめ
読書感想文は、決して特別な才能が必要な作文ではありません。
大切なのは、難しい言葉を並べることではなく、自分が感じたことを、自分の言葉で伝えることです。
もう一度、基本の流れを振り返ってみましょう。
- 本を選んだ理由を書く
- あらすじを簡潔にまとめる
- 一番印象に残った場面を書く
- なぜ印象に残ったのかを書く
- 自分の経験や考えと結び付ける
- 学んだことと今後に生かしたいことを書いて締めくくる
この型を覚えておけば、どんな本でも応用できます。
最初から完璧な文章を書こうとする必要はありません。
まずは自分が感じたことを自由に書き出し、その後で整理していけば十分です。
読書感想文を書く時間は、本と向き合うだけでなく、自分自身の考えと向き合う時間でもあります。
ぜひ今回紹介した方法を参考に、あなただけの読書感想文を書いてみてください。
きっと、本を読む楽しさだけでなく、「自分の考えを言葉にする楽しさ」も感じられるはずです。
参考資料
- 文部科学省「学習指導要領(国語)」
- 国立教育政策研究所「評価資料」
- 学校図書館関連資料
- 各出版社の読書活動支援教材
※本記事は、読書感想文の一般的な書き方や国語教育の考え方をもとに作成しています。学校やコンクールによって指定の文字数や提出形式が異なる場合がありますので、募集要項や先生からの指示も必ず確認してください。